バクラヴァのヴァ

レバノンから知人が持ってきてくれたお菓子のことなんだが。

Baklava だから バクラヴァ と書いてしまったが、まあ最近のカタカナ日本語表記ではそうするのがどうも通例らしい。

 

でも何かしら外国語を日本語表記をするときに思うんだけど、この va は ヴァ と表記する、というのがどうも納得いかないのですよ。

 

いえ、外国語の発音だと大抵の場合、v(a) は下唇を噛んで発音するようなニュアンスになるので、カタカナ表記すると バ でなくて ヴ(ァ) が適当である、というのはなんとなく理解できるのだ。 外国語の発音を正確にカタカナで再現したい、という気持ちはなんとなくワカル。

だがな、そんな事を言い出したら他のローマ字たちの発音はどうなるのだ、本当に正確にカタカナで再現されているのか?と問いたくなるのだ。

例えばローマ字の L と R の違いはどうなるのだ。L の場合は舌先を上前歯の裏側につけながら、エ(ル)ゥ と発音すると学校で習わなかったか?

Rは 今度は舌を丸める感じで アール と発音するんだ、なんて習わなかった?

なのにだ、Lisbon はリスボン。 Ribbon はリボン って書くだろ。

でもこれは該当する適当なカタカナ表記法がないのだから当然なのだ。当然なのだが所詮カタカナ表記なんてそんなもんではないのか、ということ。

他にも例えば英単語が子音で終わる場合、例えば Bread なんかがそうだと思うが、ブレッドと表記すると、日本人的にはぶぅれぇっどぉ と発音したくなってしまうが、Bは "ぶぅ" ではないし、d は "どぉ" ではないのは 皆知っている。

だけどそんな事をいいだしたらカタカナの存在そのものがオカシクなってしまうし、そもそもなんとか外国語発音の体裁を整えつつ、日本で読め、発音できるような書き方としてカタカナがあるのだろう、あまり細かいところだけに正確性を求めても他のところで綻びが生じる、といった馬鹿らしい現象に直面してしまうのだ。

なので、どうも va を ヴァ と書く方法の乱用に違和感を感じる、ということです。

あ、そういえばガバナンスなんてビジネス用語を時々見かけますが、同じ体でいけばガヴァナンスのはずだけどなあ。 バンクーバーって都市名もヴァンクーヴァーってことになるはずだけど、あまり見かけないなあ。 

 

さてバクラヴァ、いやバクラバ の話であった。

しみじみ、美味い。

コーヒーをアテにしてレバノン最新情報などを聞きながらあっという間に完食してしまった。でも今になって考えると強く淹れた紅茶の方が合うかなあ。

レバノン話を聞くともう政府があるようでないような状態(これはいまにはじまったことではないけれど)、食料も燃料もままならない、電気も安定しない。薬品もない。

まったくひどい状況だと思う。が、美味いものはこうして作り続けられているのが、まだ救いだ。