南仏でトレイルラン

ワシの住んでいるところに一番近い山岳と言うか山地はどこか、というと Cevennes 国立公園 というところがある。

destination.cevennes-parcnational.fr

 

といっても一番高い山で標高1700m 程度であるのでアルプスやピレネーなどのいわゆるフランスの有名どころの標高の高い超山岳と比較されることはないような山地である。

がしかし、そのマイルドな標高と山容のせいで人里というのか山里というのか、至るところに小さい集落というか村が散りばめられるように在り、日本で言うところのいわゆる里山的な情景を醸し出している非常に雰囲気の良い国立公園だ。 

ここでは斜面に棚田を作って栽培されている玉ねぎが有名でもあり、その見学に日本からもお役人が訪ねてきたそうである。ここで栽培される玉ねぎは辛さがあまりなく、むしろ甘さの際立っているものなので、生のままサラダで食したりもできる。

緩やかな山塊には広葉樹も多く秋には栗がそこらじゅうで拾い放題(まあ小粒ではあるが)状態になるので、この栗拾いと前後してやはり人気のあるキノコ狩りと合わせて秋のその時期には大変人気のある場所なのであるが、

 

今回は、その里山で遊ぶ、のではなく春のトレラン大会が開催されるので行ってきたのであった。

www.ceventrail.org

100km、63km、42km、23km、12km、 子供レース の6つのカテゴリーから選べる。オッサンのワシは本当であれば迷わず12kmを選びそうなものだが、少し背伸びして23kmの部に参加することにした。23kmでも1000m近く登るので大変なのだが、ワシの考えた作戦は上りはひたすら歩くこと。もうひたすらハイキング気分で乗り越える、と割り切った。ただし14km地点に2時間45分経過時点で足切り収容の関門があるので、それほどのんびりもしてられない。

参加要件は特になくおまけにやはり田舎の大会であるので抽選などもなく参加できる。申込み締め切り前あるいは枠が一杯になる前にきちんと(オンラインで)申し込んでさえおけば良いので気が楽だ。


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しかしね、トレランと言うとついつい超長距離が話題になりがちだが、まあ、よくそんな距離走れるものだ、と本当に感心するね。夜寝ないでヘッドライトを点けてでも山路を進むなんて、臆病なワシには到底考えられない。 今や日本でも世界でもどこでも人気スポーツになりつつあるらしい。いや、野山を駈けるトレランは自分も大変気に入っているんだが、ウルトラっていう距離が信じられなくてねえ、まあとはいえ、23kmだって運動を全くしてない人にとってはバカな話なのかもしれないが。

ともかく、登りはひたすら歩く作戦でなんとかこなした訳ですね、結果から言えば。

あ~良かった無事に終わって。 要した時間は3時間45分くらい。 オッサンカテゴリーの部で堂々ビリケツの名誉を頂戴するにはしたが。まあいいよ無事にゴールできたし。しかし歩いているだけなのに登りが辛かったうえ、下り坂でさえ大腿四頭筋がすっかりやられて辛かった。平地は天国だと思えたよ。


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ちなみにだが、同じレースに元世界チャンプ(2019 world trail championship)の女性も参加していた。男女合わせても総合4位だそうで、すごい。タイムは1時間52分だそうだ、つまりワタクシの約2倍のスピードで駆け抜けて居られる、と言うことですね。

なのでもちろん最初から最後まで姿形も見えなかった訳だが同じレースに参加できただけでも大変光栄である。

 

なぜだか自分ももっと頑張ろう、と思った。

 

ゴール後はすかさず無料のビールで喉を潤した後、名物のオニオンスープを頂戴し暖まったのであった。(天気が悪く寒かった。)


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